カテゴリー
蒔種
2018/11/08
「収穫には立ち会えないかもしれないが出来るだけ多くの種を蒔こう」
あるドラマを見た際、木材問屋の女主人が「木材とは、今植えたものではない。40年50年前に植えたものが育って商品になる。だから植えた時には自分の利益にならない。それでも、40年後に生きる人のことを思って植えている。次に生きる人の事を考えて、暮らしなさい。」と主人公に伝えるシーンがありました。その時に「収穫には~」の言葉をふと思い出しました。私がこの言葉を知ったのはナカムラミツルという詩人が発表した作品集の題名でした。その後、この言葉の出所を調べてみると、旧ソ連の元大統領ゴルバチョフの言葉であるとされていました。
女主人やゴルバチョフ氏の言葉は保育に必要な思いであると感じます。子どもたちが大人になった時のことを見据え、たとえすぐに結果に結びつかないものであろうとも、沢山の可能性を根気よく育てていくこと。目の前の変化に目がいきがちですが、大事なのはその先にあるということ。私たち大人が忘れてはならない事なのだと思います。
7月の徳目は「布施奉仕(ふせほうし)」「誰にでも親切にしよう」ということです。「親」には「身近に接する」「切」には「行き届く」という意味があります。つまり親切とは「身近に寄り添い行き届くようすにる」というのが本来の意味です。これを私自身の子育てに焦点を絞ってみると、子どものためと言いつつ、実は自分が楽になるために言ってきたことも少なからずあるのではないかと考えされられます。目先の自分の都合ではなく、子どもが成長するにあたりどんな経験が大切なのか、それが大人にとっては面倒なことであろうとも、向き合う覚悟をもつことが「親になる」もしくは「大人になる」という事なのではないかと改めて感じます。
息子が生まれた時に植えた杏の木にたくさん実がなりました。収穫して杏酒にし、息子達が二十歳になるまで漬けておけるような大人になろうと思います。でも、時々味見は必要ですよね。 (2016.7)
あるドラマを見た際、木材問屋の女主人が「木材とは、今植えたものではない。40年50年前に植えたものが育って商品になる。だから植えた時には自分の利益にならない。それでも、40年後に生きる人のことを思って植えている。次に生きる人の事を考えて、暮らしなさい。」と主人公に伝えるシーンがありました。その時に「収穫には~」の言葉をふと思い出しました。私がこの言葉を知ったのはナカムラミツルという詩人が発表した作品集の題名でした。その後、この言葉の出所を調べてみると、旧ソ連の元大統領ゴルバチョフの言葉であるとされていました。
女主人やゴルバチョフ氏の言葉は保育に必要な思いであると感じます。子どもたちが大人になった時のことを見据え、たとえすぐに結果に結びつかないものであろうとも、沢山の可能性を根気よく育てていくこと。目の前の変化に目がいきがちですが、大事なのはその先にあるということ。私たち大人が忘れてはならない事なのだと思います。
7月の徳目は「布施奉仕(ふせほうし)」「誰にでも親切にしよう」ということです。「親」には「身近に接する」「切」には「行き届く」という意味があります。つまり親切とは「身近に寄り添い行き届くようすにる」というのが本来の意味です。これを私自身の子育てに焦点を絞ってみると、子どものためと言いつつ、実は自分が楽になるために言ってきたことも少なからずあるのではないかと考えされられます。目先の自分の都合ではなく、子どもが成長するにあたりどんな経験が大切なのか、それが大人にとっては面倒なことであろうとも、向き合う覚悟をもつことが「親になる」もしくは「大人になる」という事なのではないかと改めて感じます。
息子が生まれた時に植えた杏の木にたくさん実がなりました。収穫して杏酒にし、息子達が二十歳になるまで漬けておけるような大人になろうと思います。でも、時々味見は必要ですよね。 (2016.7)
活性
2018/11/01
「はなまつり」というお釈迦様の生誕をお祝いする仏教行事があります。お釈迦様は、お生まれになられてすぐに七歩歩き、右手で天を左手で地を指さして「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」とおっしゃったと言われています。この「天上天下唯我独尊」、現代では「自分が一番偉い」といったような、尊大な意味として捉えている方も多いのですが、本当は「私たちそれぞれは、この世界中にどこを探しても他に代わりのいない尊い存在である」という意味が込められております。子どもたちには少し難しい内容であるため、花まつりの日には、本園の保育目標である「明るく」「正しく」「仲よく」に繋がるような内容でお話しをします。「明るく」生活することは、自分の命を輝かせることに、「正しく」生活することは周りの命に気を配ることに、そして「仲よく」生活することは互いの命を大事にすることに繋がります。これこそ「天上天下唯我独尊」を表しているものであると感じます。
6月の徳目は「生命尊重(せいめいそんちょう)」です。「命を大切にしよう」ということですが、子ども達にとって「命を大切に」という言葉だけではピンときません。そして私たち大人もこのことを説明する時、「食べ物を粗末にしてはいけない」「生き物にいたずらしてはいけない」など「~してはいけない」という、どちらかというと後ろ向きな思考を思い浮かべがちです。しかし、非常に難しいことではありますが、より「活かす」視点で命と向き合うことが大切ではないかと感じます。
仏教保育ならではの良さを生かしながら、子どもたちがイキイキと自分の命を輝かせられるよう、そして自分と同じくらい周りの命も輝かせられる人になれるよう、これからも保育に取り組んで参りたいと思います。
私が少し肉付きがいいのは、「食べ物を粗末にしてはいけない」と考えているからです…と、苦しい言い訳はやはり後ろ向きな思考になってしまいます。(2016.6)
6月の徳目は「生命尊重(せいめいそんちょう)」です。「命を大切にしよう」ということですが、子ども達にとって「命を大切に」という言葉だけではピンときません。そして私たち大人もこのことを説明する時、「食べ物を粗末にしてはいけない」「生き物にいたずらしてはいけない」など「~してはいけない」という、どちらかというと後ろ向きな思考を思い浮かべがちです。しかし、非常に難しいことではありますが、より「活かす」視点で命と向き合うことが大切ではないかと感じます。
仏教保育ならではの良さを生かしながら、子どもたちがイキイキと自分の命を輝かせられるよう、そして自分と同じくらい周りの命も輝かせられる人になれるよう、これからも保育に取り組んで参りたいと思います。
私が少し肉付きがいいのは、「食べ物を粗末にしてはいけない」と考えているからです…と、苦しい言い訳はやはり後ろ向きな思考になってしまいます。(2016.6)
作法
2018/10/24
りんご組ではお茶のお稽古があります。ほとんどの子どもたちがお抹茶を「おいしい」と飲み干しており、終始和やかに過ぎていきます。そのなかで、毎回唯一子どもたちが混乱するのは、お茶室の出入りの仕方、いわゆる「作法」です。子どもたちにとって、「どちらの足からお茶室に入る」とか「畳の縁は踏まない」などは、普段は気にしたことのない動作のため、足がおぼつかなくなる子もちらほら。それでもひとつひとつゆっくり覚えようとする様子は非常に微笑ましいものです。
ところで、子どもたちにとってはもちろん、大人にとっても慣れないと難しい「作法」ですが、そんな作法はなぜ必要なのでしょうか。「それがルール」と捉えると非常に堅苦しいものに感じますが、「相手への思いやりが形になったもの」と考えるとまた違った見方が出来るものと思います。子どもたちにとって、そこまで思いを巡らせることは難しいことかもしれませんが、形式ではなく、心意気を少しずつでも伝えていければと感じました。
5月の徳目は「持戒和合(じかいわごう)」です。「きまりを守り、集団生活を楽しもう」ということです。「戒」とはもともと「よくない事態に備えて気を引き締める」ことであり、「良い方向へ進むようまわりに気を配る」ことにもつながります。みんなが気持ちよく生活するためにどんな気配りが必要かを考え、行動することが「戒を持つ」ことに他なりません。近年「ルールにはないから」もしくは「それがルールだから」と、相手の思いを無視して自分の都合の良いように「きまり」を解釈したり利用したりすることによるトラブルが、世間で増えているような気がします。きまりのあるなしを議論する前に、相手への思いやりがあるかないかを判断することが大切なのではないかと感じます。そもそも、「きまり」もお互いが気持ちよく生活するために出来たものなのですから。
きまりではないですが、「普段はビールを1日1本まで」を明日から頑張ってみようと思います…。(2016.5)
ところで、子どもたちにとってはもちろん、大人にとっても慣れないと難しい「作法」ですが、そんな作法はなぜ必要なのでしょうか。「それがルール」と捉えると非常に堅苦しいものに感じますが、「相手への思いやりが形になったもの」と考えるとまた違った見方が出来るものと思います。子どもたちにとって、そこまで思いを巡らせることは難しいことかもしれませんが、形式ではなく、心意気を少しずつでも伝えていければと感じました。
5月の徳目は「持戒和合(じかいわごう)」です。「きまりを守り、集団生活を楽しもう」ということです。「戒」とはもともと「よくない事態に備えて気を引き締める」ことであり、「良い方向へ進むようまわりに気を配る」ことにもつながります。みんなが気持ちよく生活するためにどんな気配りが必要かを考え、行動することが「戒を持つ」ことに他なりません。近年「ルールにはないから」もしくは「それがルールだから」と、相手の思いを無視して自分の都合の良いように「きまり」を解釈したり利用したりすることによるトラブルが、世間で増えているような気がします。きまりのあるなしを議論する前に、相手への思いやりがあるかないかを判断することが大切なのではないかと感じます。そもそも、「きまり」もお互いが気持ちよく生活するために出来たものなのですから。
きまりではないですが、「普段はビールを1日1本まで」を明日から頑張ってみようと思います…。(2016.5)
傾聴
2018/10/23
近年、コミュニケーションの技術として「コーチング」という方法が注目を集めています。コーチングと聞くと、スポーツの分野などにおいて監督が選手を教え導く、すなわちティーチングをイメージされるかもしれません。しかし、「答えを与える」ティーチングに対しコーチングとは「自ら答えを作り出すサポートをする」という方法です。その基本となるのが「聞く」ということです。そしてこの「聞く力」は相手の力を引き出させるだけにとどまらず、自分自身の成長にも繋げられるのではないかと感じています。「話す力」の重要性が説かれている昨今、「聞く力」にも注目していきたいものです。
4月の徳目(より良く生きるための基本となるもの)は「合掌(がつしよう)聞法(もんぽう)」「敬う心を持って人の話を聞こう」という意味です。 園長に就任してから、園児の前で話をする際には本園の保育目標である「明るく」「正しく」「仲良く」を伝えてきました。話す機会は月に1、2度くらいのものなので、それほど多いわけではありません。それでも子どもたちは、2、3度目にはその3つのお約束を覚え、「お約束は何?」と尋ねると声をそろえて答えることができ、子どもたちの聞く力に驚かされます。きっと素直な心で聴いているから覚えも早いのではないでしょうか。頭の中で話の流れを予測してしまうことで、正確に話を聞いていないことが時々ある私は、子どもたちの無垢な姿に、嬉しい半面、自分自身に対する恥ずかしさを感じてしまいます。聞く力があるということは、それだけ心が育っている、もしくは素直な証拠なのだと思います。
コーチングの理論を踏まえて考えると、私の方が子どもたちに引き伸ばしてもらっているのかもしれません。(2016.4)
4月の徳目(より良く生きるための基本となるもの)は「合掌(がつしよう)聞法(もんぽう)」「敬う心を持って人の話を聞こう」という意味です。 園長に就任してから、園児の前で話をする際には本園の保育目標である「明るく」「正しく」「仲良く」を伝えてきました。話す機会は月に1、2度くらいのものなので、それほど多いわけではありません。それでも子どもたちは、2、3度目にはその3つのお約束を覚え、「お約束は何?」と尋ねると声をそろえて答えることができ、子どもたちの聞く力に驚かされます。きっと素直な心で聴いているから覚えも早いのではないでしょうか。頭の中で話の流れを予測してしまうことで、正確に話を聞いていないことが時々ある私は、子どもたちの無垢な姿に、嬉しい半面、自分自身に対する恥ずかしさを感じてしまいます。聞く力があるということは、それだけ心が育っている、もしくは素直な証拠なのだと思います。
コーチングの理論を踏まえて考えると、私の方が子どもたちに引き伸ばしてもらっているのかもしれません。(2016.4)
光明
2018/10/17
一人暮らしをしていた頃、部屋が殺風景だったので、室内で育てられる小さいひまわりを7つ購入したことがあります。日中は留守にすると部屋が暗くなってしまうので、窓の桟に置くことにしました。すると、ひまわりは光を求め、7つとも窓側を向いて伸びていきました。せっかく、味気ない部屋を少しでも変化させるために購入したのにこれでは逆に惨めになると思い、ある日から、水を与える時に「こっちを向け~」と念じるようにしました。すると数日後、7つのうち3つがこちらを向きかけていることに気づき、正に念じれば花が開くんだなと感動したことがあります。しかし後に、ひまわりは必ず太陽の方向を向くとは限らないことを知りました。「念ずれば花開く」なんて少し格好良いことを考えていたことに恥ずかしくなり、軽くショックを受けたのを覚えています。
一方で、ひまわりを部屋側に向けさせて喜んでいた頃のことをよくよく振り返ってみると、その当時悩んでいたことや仕事でうまくいかなかったことが、少しずつ解決に向かっていたことにも気づきました。前向きな言動をすることが周りの環境を良い方向へ変える力もあるんだと、実感した瞬間でもありました。
さて、3月の徳目は「智慧希望(ちえきぼう)」「希望をもち、楽しく暮らそう」という意味です。どんな環境にあっても全てのものに光を見い出す力を仏教の言葉で「智慧」と言います。楽しく暮らすためには希望をもつことが大切で、希望をもつためには、どんな状況からでも前向きになれる力が必要です。子ども達は進級や進学を控え、期待に胸を膨らませる反面、不安に感じることや思い通りにいかないこともあると思います。それでも、希望に満ち溢れた新年度を迎えられるよう、職員一同大事にお子様達と過ごしていきたいと思います。(2016.3)
一方で、ひまわりを部屋側に向けさせて喜んでいた頃のことをよくよく振り返ってみると、その当時悩んでいたことや仕事でうまくいかなかったことが、少しずつ解決に向かっていたことにも気づきました。前向きな言動をすることが周りの環境を良い方向へ変える力もあるんだと、実感した瞬間でもありました。
さて、3月の徳目は「智慧希望(ちえきぼう)」「希望をもち、楽しく暮らそう」という意味です。どんな環境にあっても全てのものに光を見い出す力を仏教の言葉で「智慧」と言います。楽しく暮らすためには希望をもつことが大切で、希望をもつためには、どんな状況からでも前向きになれる力が必要です。子ども達は進級や進学を控え、期待に胸を膨らませる反面、不安に感じることや思い通りにいかないこともあると思います。それでも、希望に満ち溢れた新年度を迎えられるよう、職員一同大事にお子様達と過ごしていきたいと思います。(2016.3)
熟考
2018/09/25
患者の細胞から病気を診断することが仕事の病理医というお医者さんがいます。近年は組織や細胞を用いた診断の比重が増しており、細胞や組織を顕微鏡等で見て病気による変化の有無や広がり、良性・悪性の区別、腫瘍の分類などを診断する専門家として、治療方針決定などにも関わるようになってきているそうです。正しい診断をするためには、患者さんの症状から判断する最初の見立てにとらわれることなく、本当の原因を探すことが重要であり、最終判断の決め手として、病理医の診断はなくてはならないものになりつつあるようです。そんな話を聞いた時、自分自身も物事を見る時に多角的に捉えられず、一つの視点や先入観だけで見ていることはないだろうかと、ハッとさせられました。
さて、2月の徳目は「禅定静寂(ぜんじょうせいじゃく)」、「よく考え、落ち着いた暮らしをしよう」です。人間は、よく考えているようでいて、実は自分が最初に考えたことに信憑性をもたせるための根拠を探しているだけで、思考そのものはストップしていることがあります。このことは子育てに関しても言えるのではないでしょうか。私自身「自分の子どもは○○だ」と思ってしまいがちです。そんな時に、いったん頭をクリアにしてもう一度子どもを見つめることで、新たな一面や更に成長させられるきっかけを発見できるかもしれません。
保育園でも、子どもたちが更に心身共に大きくなるために、様々な角度から子どもたちを見つめ、多くの発見を成長に繋げられるよう、一層努めて参ります。
実は、今回の病理医というテーマは、ドラマからヒントを得たのですが、「また、園長はテレビの話をして…話題はそれしかないのか。それこそ思考停止しているじゃないか。」と言われかねないので、気づいた方はそっと自分の胸にしまって頂き、気づいていない方には内密にお願いします。(2016.2)
さて、2月の徳目は「禅定静寂(ぜんじょうせいじゃく)」、「よく考え、落ち着いた暮らしをしよう」です。人間は、よく考えているようでいて、実は自分が最初に考えたことに信憑性をもたせるための根拠を探しているだけで、思考そのものはストップしていることがあります。このことは子育てに関しても言えるのではないでしょうか。私自身「自分の子どもは○○だ」と思ってしまいがちです。そんな時に、いったん頭をクリアにしてもう一度子どもを見つめることで、新たな一面や更に成長させられるきっかけを発見できるかもしれません。
保育園でも、子どもたちが更に心身共に大きくなるために、様々な角度から子どもたちを見つめ、多くの発見を成長に繋げられるよう、一層努めて参ります。
実は、今回の病理医というテーマは、ドラマからヒントを得たのですが、「また、園長はテレビの話をして…話題はそれしかないのか。それこそ思考停止しているじゃないか。」と言われかねないので、気づいた方はそっと自分の胸にしまって頂き、気づいていない方には内密にお願いします。(2016.2)
笑顔
2018/09/14
メンタルプロコーチ津村柾広さんという方がいらっしゃいます。津村さんは、2013年に弘前の聖愛高校が甲子園に出場した際、メンタルコーチとしてチームに携わっていた方です。現在はRYOMA塾というメンタルコーチングの講座を様々な場所で展開しており、その方の講演を聴く機会がありました。
やる気を引き出す為には、心のスイッチを入れる必要があります。では、心のスイッチを入れるにはどうしたらよいか…。自分の心をコントロールすることはとても難しいことですが、自分の体をコントロールすることは難しいことではありません。体を前向きにコントロールすることで、心にも良い影響を与えようというのが、津村さんの考え方です。笑顔は自分の心だけではなく周りへも良い影響を与えることが出来ます。笑顔で接することで周りも明るく前向きにし、「いいね!」と相手を受け入れる言葉を発することでさらに円滑な人間関係を築けるということです。
さて、1月の徳目は「和顔愛語(わげんあいご)」、「柔らかい顔で、優しい言葉を」です。津村さんの考えはこれに繋がる部分が多くあると思います。心を変えようと思わず、柔らかい顔を作ろう、優しい言葉を発しようと一歩立ち止まることが、心に余裕を生み出す秘訣なのかもしれません。
私は顔に出やすいとよく言われます。確かに、前の日に食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、次の日から3日ぐらいはすごくむくんで…感情も食事もどちらにも気を付けて生活したいものです。(2016.1)
やる気を引き出す為には、心のスイッチを入れる必要があります。では、心のスイッチを入れるにはどうしたらよいか…。自分の心をコントロールすることはとても難しいことですが、自分の体をコントロールすることは難しいことではありません。体を前向きにコントロールすることで、心にも良い影響を与えようというのが、津村さんの考え方です。笑顔は自分の心だけではなく周りへも良い影響を与えることが出来ます。笑顔で接することで周りも明るく前向きにし、「いいね!」と相手を受け入れる言葉を発することでさらに円滑な人間関係を築けるということです。
さて、1月の徳目は「和顔愛語(わげんあいご)」、「柔らかい顔で、優しい言葉を」です。津村さんの考えはこれに繋がる部分が多くあると思います。心を変えようと思わず、柔らかい顔を作ろう、優しい言葉を発しようと一歩立ち止まることが、心に余裕を生み出す秘訣なのかもしれません。
私は顔に出やすいとよく言われます。確かに、前の日に食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、次の日から3日ぐらいはすごくむくんで…感情も食事もどちらにも気を付けて生活したいものです。(2016.1)
絶景
2018/09/03
富山県黒部市に、黒部渓谷鉄道という路線が走っています。もともとは黒部川電源開発のための資材運搬用鉄道で、旅客を乗せる際、過去の切符には生命の保障はしない旨の注意書きが書いてあったほど、深い渓谷部にある鉄道です。現在では安全性が格段に上がり、電源開発のための職員の移動手段としてはもちろん、秋の時季は紅葉などの絶景が見られるポイントとして、鉄道ファンのみならず大きな注目を浴びている観光コースです。
黒部渓谷鉄道沿線には宿泊施設もあります。しかし、施設を運営するための資材をそろえられる店がその周辺にはありません。そのため、この列車を使いわざわざ市内まで買い付けに行きます。何をするにも時間とコストがかかってしまうのだそうです。そんな沿線にある施設のご主人が「不便な場所にこそ絶景がある」といった旨の話をされていました。なんでもかんでも便利になりつつある世の中、苦労をしないことにより感動が薄れたり、または簡単に出来るようになりすぎて、感動そのものがなくなったりすることもあるのではと感じ、非常に心に残った言葉でした。
さて、12月の徳目は「忍辱持久(にんにくじきゅう)」、「根気強く取り組もう」です。育児の中にも根気強く取り組むからこそ見られる景色があるはずです。私たちも、これまでの保育を振り返り、子どもたちそれぞれに合わせながら学年が上がるまでに身に付けさせたいことを再度精選し、根気強く取り組んで参ります。
昔は、辞典や図鑑を使って物事を調べるのが面倒で、よく人に聞いてすませていた根気のない私ですが、今ではネットの力を駆使し、自分で色々調べられるようになりました…と、根気強くなったのか結局何も変わってないのかイマイチよくわかりません。(2015.12)
黒部渓谷鉄道沿線には宿泊施設もあります。しかし、施設を運営するための資材をそろえられる店がその周辺にはありません。そのため、この列車を使いわざわざ市内まで買い付けに行きます。何をするにも時間とコストがかかってしまうのだそうです。そんな沿線にある施設のご主人が「不便な場所にこそ絶景がある」といった旨の話をされていました。なんでもかんでも便利になりつつある世の中、苦労をしないことにより感動が薄れたり、または簡単に出来るようになりすぎて、感動そのものがなくなったりすることもあるのではと感じ、非常に心に残った言葉でした。
さて、12月の徳目は「忍辱持久(にんにくじきゅう)」、「根気強く取り組もう」です。育児の中にも根気強く取り組むからこそ見られる景色があるはずです。私たちも、これまでの保育を振り返り、子どもたちそれぞれに合わせながら学年が上がるまでに身に付けさせたいことを再度精選し、根気強く取り組んで参ります。
昔は、辞典や図鑑を使って物事を調べるのが面倒で、よく人に聞いてすませていた根気のない私ですが、今ではネットの力を駆使し、自分で色々調べられるようになりました…と、根気強くなったのか結局何も変わってないのかイマイチよくわかりません。(2015.12)
火矢
2018/08/31
「下町ロケット」というドラマをご存じでしょうか。TBS系列のドラマです。主演の阿部寛さん演じる町工場の社長が、大企業の思惑に翻弄されながらも、自分の夢をあきらめず叶えていくというお話しです。話の構成的には非常に単純明快ではあるのですが、引き込まれ、最後はとてもすっきりする内容です。ただし、気持ちが高ぶってしまい、このドラマの直後はすぐに寝付けず、寝不足気味になってしまいます。
どんな逆境に立たされても、仲間同士それぞれの役割を果たそうと懸命に取り組み、打開策を見つけ逆転する姿はとても気持ちの良いものです。仲間と協力して一つの目標に向かうすばらしさを改めて感じることができ、最近の楽しみの一つとなっています
さて、11月の徳目は「精進努力(しょうじんどりょく)」、「最後までやり遂げよう」です。来月にはおゆうぎ会があり、子ども達はおゆうぎ会に向け少しずつ動き出しています。劇を行うクラスでは、どの役を演じるのか子ども達同士で話し合いますが、毎年、主人公や目立つ役に希望が殺到します。しかし、どの役もとても重要であり、それぞれの役割を最後までやり遂げることで劇が成り立つことを伝え、取り組んでいます。今年もそのようなやりとりが見られることと思いますが、互いに話し合い、例え第1希望の役が当たらなかったとしても、役を一生懸命演じることで子とも達がまた一つ成長するものと信じています。その他の遊戯でも、みんなで踊ったり歌ったりすることの楽しさ、すばらしさを伝えながら取り組んで参ります。どうぞご家庭でも、温かく見守って頂けたらと思います。
さて、次回の下町ロケットは「あきらめきれない夢が今、動き出す そして社員達は…」お楽しみに!……文章の締めを最後までやり遂げず、このドラマの予告CMに頼る私はまだまだ精進努力が足りません。(2015.11)
どんな逆境に立たされても、仲間同士それぞれの役割を果たそうと懸命に取り組み、打開策を見つけ逆転する姿はとても気持ちの良いものです。仲間と協力して一つの目標に向かうすばらしさを改めて感じることができ、最近の楽しみの一つとなっています
さて、11月の徳目は「精進努力(しょうじんどりょく)」、「最後までやり遂げよう」です。来月にはおゆうぎ会があり、子ども達はおゆうぎ会に向け少しずつ動き出しています。劇を行うクラスでは、どの役を演じるのか子ども達同士で話し合いますが、毎年、主人公や目立つ役に希望が殺到します。しかし、どの役もとても重要であり、それぞれの役割を最後までやり遂げることで劇が成り立つことを伝え、取り組んでいます。今年もそのようなやりとりが見られることと思いますが、互いに話し合い、例え第1希望の役が当たらなかったとしても、役を一生懸命演じることで子とも達がまた一つ成長するものと信じています。その他の遊戯でも、みんなで踊ったり歌ったりすることの楽しさ、すばらしさを伝えながら取り組んで参ります。どうぞご家庭でも、温かく見守って頂けたらと思います。
さて、次回の下町ロケットは「あきらめきれない夢が今、動き出す そして社員達は…」お楽しみに!……文章の締めを最後までやり遂げず、このドラマの予告CMに頼る私はまだまだ精進努力が足りません。(2015.11)
楕円
2018/08/10
2015年にラグビーのワールドカップ、日本対南アフリカの試合が行われました。日本はW杯で今まで1度しか勝ったことがなく、対する南アフリカは優勝候補の一角でした。しかし、結果は大金星。試合終了間際、数点差で追いかけている日本は、相手のファールでチャンスを得ると、同点にできる可能性の高い戦術をとらず、あくまで勝ちにいく姿勢を見せ、逆転を目指す戦術で見事成功しました。この劇的な展開が世界中で評判となり、この勝利をさらに感動的なものにしました。
試合後、とある日本人選手が「ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを」と日本代表でプレーする外国人選手へ注目して欲しいとツイッターで訴えたこともまた話題となりました。ラグビーは他の競技によりも外国人が比較的日本代表になり易い条件となっているようで、3分の1が外国人選手です。私はこの報道を知るまで、日本代表に外国人がいることに、おぼろ気ながら違和感を感じていた自分がいることに気づきました。様々な考えの末、自国ではなく日本のチームを選び、そして今はそのチームのために一生懸命になっている姿を見て、国籍に必要以上にこだわる自分は器の小さいちっぽけな人間だなと感じました。
さて、10月の徳目は「同時協力(どうじきょうりょく)」、「お互いに助け合おう」ということです。「協力」には「力」の漢字が多く、「力を合わせる」ことを先にイメージしがちですが、「心を合わせること」が前提であり、そしてそれが何よりも大事なことであると感じます。園でも、運動会で子どもたちが経験した互いに心を合わせる喜びや大切さを、これからの行事はもちろん、普段の生活におけるお友達同士のやりとりにこそ意識させ、深めていきたいと思います。
ちなみに、ツイッターした選手は私の大学の後輩です…って会ったこともない後輩に対し先輩面する私は、やっぱり器の小さい人間です。(2015.10)
試合後、とある日本人選手が「ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを」と日本代表でプレーする外国人選手へ注目して欲しいとツイッターで訴えたこともまた話題となりました。ラグビーは他の競技によりも外国人が比較的日本代表になり易い条件となっているようで、3分の1が外国人選手です。私はこの報道を知るまで、日本代表に外国人がいることに、おぼろ気ながら違和感を感じていた自分がいることに気づきました。様々な考えの末、自国ではなく日本のチームを選び、そして今はそのチームのために一生懸命になっている姿を見て、国籍に必要以上にこだわる自分は器の小さいちっぽけな人間だなと感じました。
さて、10月の徳目は「同時協力(どうじきょうりょく)」、「お互いに助け合おう」ということです。「協力」には「力」の漢字が多く、「力を合わせる」ことを先にイメージしがちですが、「心を合わせること」が前提であり、そしてそれが何よりも大事なことであると感じます。園でも、運動会で子どもたちが経験した互いに心を合わせる喜びや大切さを、これからの行事はもちろん、普段の生活におけるお友達同士のやりとりにこそ意識させ、深めていきたいと思います。
ちなみに、ツイッターした選手は私の大学の後輩です…って会ったこともない後輩に対し先輩面する私は、やっぱり器の小さい人間です。(2015.10)
明
2018/08/07
「自分の機嫌は自分で取る。人に取ってもらおうとしない。」
お笑い芸人みやぞんが、過酷なロケの最中につぶやいた言葉です。みやぞんとは、運動神経が非常に良いことに加え、いつもニコニコと笑顔を絶やさないため、最近は様々な番組に出演しています。今回の番組でも、目的を達成するまでの間様々な災難に見舞われスタッフも疲労困憊の中で、自分を奮い立たせるように「自分の機嫌は自分で取る。」と笑顔を絶やさず前向きな姿勢を見せ、私の目にはとてもカッコ良く映りました。
明照保育園のお約束「明るく」「正しく」「仲良く」の話をする際、子どもたちには「いつも笑顔でいることが『明るく』ということです」と伝えいますが、先日「明るく」とはどうすることですか?と子どもたちに聞いてみたところ「みんなを笑顔にすることです。」と答えた子がいました。「自分の笑顔で、周りも笑顔にする」ともう一歩踏み込んだ考え方もいいなと、園児の回答をきっかけに考える機会となりました。
8月の徳目は「自利利他(じりりた)」「出来ることはすすんでしよう」ですが、「自利」という言葉通り自分にとってのプラスにもならなくてはなりません。自分の機嫌は自分でとり笑顔になる事で、みんなも笑顔にしていく姿は正に「自利利他」の体現であると感じます。「まずは自分から笑顔に…」どんなときでもポジティブな気持ちを心がけていきたいものです。
今回の文章はどんなテーマにしようか考えている時に、難しい顔してもダメだと思い、ニコニコしながらパソコンに向き合っていたら気持ち悪がられ、既にネガティブとです。園長です…園長です…園長です…。(2018.8)
お笑い芸人みやぞんが、過酷なロケの最中につぶやいた言葉です。みやぞんとは、運動神経が非常に良いことに加え、いつもニコニコと笑顔を絶やさないため、最近は様々な番組に出演しています。今回の番組でも、目的を達成するまでの間様々な災難に見舞われスタッフも疲労困憊の中で、自分を奮い立たせるように「自分の機嫌は自分で取る。」と笑顔を絶やさず前向きな姿勢を見せ、私の目にはとてもカッコ良く映りました。
明照保育園のお約束「明るく」「正しく」「仲良く」の話をする際、子どもたちには「いつも笑顔でいることが『明るく』ということです」と伝えいますが、先日「明るく」とはどうすることですか?と子どもたちに聞いてみたところ「みんなを笑顔にすることです。」と答えた子がいました。「自分の笑顔で、周りも笑顔にする」ともう一歩踏み込んだ考え方もいいなと、園児の回答をきっかけに考える機会となりました。
8月の徳目は「自利利他(じりりた)」「出来ることはすすんでしよう」ですが、「自利」という言葉通り自分にとってのプラスにもならなくてはなりません。自分の機嫌は自分でとり笑顔になる事で、みんなも笑顔にしていく姿は正に「自利利他」の体現であると感じます。「まずは自分から笑顔に…」どんなときでもポジティブな気持ちを心がけていきたいものです。
今回の文章はどんなテーマにしようか考えている時に、難しい顔してもダメだと思い、ニコニコしながらパソコンに向き合っていたら気持ち悪がられ、既にネガティブとです。園長です…園長です…園長です…。(2018.8)
世間
2018/07/28
とあるドラマの登場人物が「世間様」と話すシーンがありました。最近はあまり耳にしない言葉であったので印象に残っていたのですが、よくよく考えると本当に謙虚な気持ちがないと出てこない言葉だなと思いました。周りのお陰で自分がいる、その想いが「世間」に「様」を付ける姿勢に繋がっているのだと感じます。
一方「ありがとう」という言葉は普段耳にする機会が多くあります。元々、ありがとうの語源である「有難(ありがた)し」という言葉は「滅多にない」という意味で遣われていました。つまり、「滅多にないことをしてくれた」という感謝の気持ちが「ありがとう」には込められています。どんなに些細なことも滅多にないことと捉え、「ありがとう」と伝える。普段何気なく使っている言葉ではありますが、込められた想いを改めて考えてみたいものです。
9月の徳目は「報恩感謝(ほうおんかんしゃ)」「あらゆることをありがたく感じよう」ということです。剣道には「打たれて感謝」という言葉があります。負けて悔しいと思うのではなく、自分の改善点を教えてくれて有り難うと思う心が大切であると、この言葉は教えています。自分の改善点を指摘されることは時に非常につらいこともあります。しかし、謙虚な気持ちでそれを受けとめ、次に活かすことが大切なのだと改めて感じました。正に、「世間様」のお陰で自分がいるのです。
私自身、まだまだ未熟な部分が多々あるかと思いますが、明照がよりよい園になるため、皆様のご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。
でも、結構打たれ弱いガラスのハートなので優しくアドバイスして下さいね♥(2015.9)
一方「ありがとう」という言葉は普段耳にする機会が多くあります。元々、ありがとうの語源である「有難(ありがた)し」という言葉は「滅多にない」という意味で遣われていました。つまり、「滅多にないことをしてくれた」という感謝の気持ちが「ありがとう」には込められています。どんなに些細なことも滅多にないことと捉え、「ありがとう」と伝える。普段何気なく使っている言葉ではありますが、込められた想いを改めて考えてみたいものです。
9月の徳目は「報恩感謝(ほうおんかんしゃ)」「あらゆることをありがたく感じよう」ということです。剣道には「打たれて感謝」という言葉があります。負けて悔しいと思うのではなく、自分の改善点を教えてくれて有り難うと思う心が大切であると、この言葉は教えています。自分の改善点を指摘されることは時に非常につらいこともあります。しかし、謙虚な気持ちでそれを受けとめ、次に活かすことが大切なのだと改めて感じました。正に、「世間様」のお陰で自分がいるのです。
私自身、まだまだ未熟な部分が多々あるかと思いますが、明照がよりよい園になるため、皆様のご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。
でも、結構打たれ弱いガラスのハートなので優しくアドバイスして下さいね♥(2015.9)
飴玉
2018/07/24
海外での山登りツアーに参加した時の話です。山道の途中にある休憩ポイントでは、行商がお土産品を販売しに来ます。行商の人たちは山間部に住んでおり、時々自分の子どもたちを連れて売りあることもあります。
休憩ポイントで、私は飴を取り出し食べようとしました。すると、横からすごい視線を感じ、見てみると、行商の子どもがその飴を欲しそうに、私を、むしろ飴を見つめていました。飴で喜んでもらえるならと渡そうとすると、山岳ガイドの方に「ダメです!」と強い口調で言われました。その子はもらえないことを察知し、寂しそうな表情で、仕事を終えた親と一緒に帰っていきました。私は、あれだけ嬉しそうにしているのになぜダメなのか、腑に落ちず少し悶々としていました。するとガイドさんは、こんな話をしました。
「山間部の人たちは、砂糖を口にすることはあまりなく、お菓子を食べることでむし歯になる可能性が高まる。むし歯になったら、時間をかけて都市部まで治療しに行かなくてはならず、治療費もかかり、その家族は大変な目に遭う。」
私はハッとしました。親切で行っていると思ったことがただの自己満足に過ぎず、その子の置かれた現状や先のことまで考えていなかったことに気づいたのです。
8月の徳目は「自利利他(じりりた)」「出来ることはすすんでしよう」ということです。「親切」というと「与えること」「してあげること」をまず思い浮かべるかもしれませんが、必ずしもそれが相手にとってプラスになるとは限りません。場合によってはただの自己満足であり、「与えない」「してあげない」ことが本当の親切であることもあります。正に子育てがそれに当てはまるのではないでしょうか。先回りしたり、与えたりすることで私たち大人は安心しがちです。しかし、「何でも思い通り」が子どもたちにとって当たり前になると、成長してから大きな弊害となります。子どもの成長に合わせた「すること」「しないこと」のバランスが大切なのだと思います。
食事中、自分で食べられるのに「食べさせて」とせがむ娘に、ついつい手をかしてしまう私は、海外での反省を未だ活かせていません…(2015.8)
休憩ポイントで、私は飴を取り出し食べようとしました。すると、横からすごい視線を感じ、見てみると、行商の子どもがその飴を欲しそうに、私を、むしろ飴を見つめていました。飴で喜んでもらえるならと渡そうとすると、山岳ガイドの方に「ダメです!」と強い口調で言われました。その子はもらえないことを察知し、寂しそうな表情で、仕事を終えた親と一緒に帰っていきました。私は、あれだけ嬉しそうにしているのになぜダメなのか、腑に落ちず少し悶々としていました。するとガイドさんは、こんな話をしました。
「山間部の人たちは、砂糖を口にすることはあまりなく、お菓子を食べることでむし歯になる可能性が高まる。むし歯になったら、時間をかけて都市部まで治療しに行かなくてはならず、治療費もかかり、その家族は大変な目に遭う。」
私はハッとしました。親切で行っていると思ったことがただの自己満足に過ぎず、その子の置かれた現状や先のことまで考えていなかったことに気づいたのです。
8月の徳目は「自利利他(じりりた)」「出来ることはすすんでしよう」ということです。「親切」というと「与えること」「してあげること」をまず思い浮かべるかもしれませんが、必ずしもそれが相手にとってプラスになるとは限りません。場合によってはただの自己満足であり、「与えない」「してあげない」ことが本当の親切であることもあります。正に子育てがそれに当てはまるのではないでしょうか。先回りしたり、与えたりすることで私たち大人は安心しがちです。しかし、「何でも思い通り」が子どもたちにとって当たり前になると、成長してから大きな弊害となります。子どもの成長に合わせた「すること」「しないこと」のバランスが大切なのだと思います。
食事中、自分で食べられるのに「食べさせて」とせがむ娘に、ついつい手をかしてしまう私は、海外での反省を未だ活かせていません…(2015.8)
「算数」
2018/06/25
「おもいやり算~人を笑顔にする算数~ 『+たす』けあうと大きな力に 『-ひき』うけると喜びが生まれる 声を『×かける』とひとつになれる いた『÷わる』と笑顔は返ってくる」
先日、りんご組とめろん組はバラまつりのオープニングに出演しました。新たな年度を迎えてまだまだ落ち着かない中、約1ヶ月程の練習ではありましたが、子ども達は本当に良く頑張っていたと思います。練習当初の子ども達は、自分のことにいっぱいいっぱいで、周りに合わせる余裕がありませんでした。しかし、少しずつ周りの音や動きを感じ取り、みんなと合わせようとする気持ちが芽生え、一体感が出始めました。一体感が出ると、それまでにも増して練習に熱が入っていったように感じます。「おもいやり算」と言うほどではありませんが、周りに目を向けることが結果的に自身の意欲にも繋がり、より良い結果をもたらしたという素晴らしい体験だったのではないでしょうか。
7月の徳目は「布施奉仕(ふせほうし)」「誰にでも親切にしよう」ということです。今日、「因果応報」という言葉は、「悪いことは巡り巡って必ず自分にも返ってくる」という意味で使われますが、本来は「良いこと」も巡り巡るという意味も持ち合わせていました。周りを思いやった言動は、結果自分にも良い影響をもたらします。もちろん最初から見返りを期待した、打算的な行動はその限りではありませんが…
私たちは物事がうまくいかないとき、どうしても自分以外の人や物のせいにしたくなりがちです。しかし突き詰めて考えていけば意外と自身にも多少の原因があったりします。また、例え最初のつまずき要因は自分でなかったとしても、悪い流れが続き悪循環に陥っているとしたら、それは自身の言動を見直すことで解決の糸口が見つかったりするものです。
最近、首ヘルニアによる左腕の痛みが増していますが、きっとそれは息子達が、私のベッドで飛び跳ねて遊び、コイルをボロボロにしたために正しい姿勢で眠ることが出来なくなったからに違いありません!(2015.7)
先日、りんご組とめろん組はバラまつりのオープニングに出演しました。新たな年度を迎えてまだまだ落ち着かない中、約1ヶ月程の練習ではありましたが、子ども達は本当に良く頑張っていたと思います。練習当初の子ども達は、自分のことにいっぱいいっぱいで、周りに合わせる余裕がありませんでした。しかし、少しずつ周りの音や動きを感じ取り、みんなと合わせようとする気持ちが芽生え、一体感が出始めました。一体感が出ると、それまでにも増して練習に熱が入っていったように感じます。「おもいやり算」と言うほどではありませんが、周りに目を向けることが結果的に自身の意欲にも繋がり、より良い結果をもたらしたという素晴らしい体験だったのではないでしょうか。
7月の徳目は「布施奉仕(ふせほうし)」「誰にでも親切にしよう」ということです。今日、「因果応報」という言葉は、「悪いことは巡り巡って必ず自分にも返ってくる」という意味で使われますが、本来は「良いこと」も巡り巡るという意味も持ち合わせていました。周りを思いやった言動は、結果自分にも良い影響をもたらします。もちろん最初から見返りを期待した、打算的な行動はその限りではありませんが…
私たちは物事がうまくいかないとき、どうしても自分以外の人や物のせいにしたくなりがちです。しかし突き詰めて考えていけば意外と自身にも多少の原因があったりします。また、例え最初のつまずき要因は自分でなかったとしても、悪い流れが続き悪循環に陥っているとしたら、それは自身の言動を見直すことで解決の糸口が見つかったりするものです。
最近、首ヘルニアによる左腕の痛みが増していますが、きっとそれは息子達が、私のベッドで飛び跳ねて遊び、コイルをボロボロにしたために正しい姿勢で眠ることが出来なくなったからに違いありません!(2015.7)
「楽観」
2018/06/18
「孤独のグルメ」という番組をご存じでしょうか。元々はグルメ漫画をドラマ化したもので、松重豊さん演じる「井之頭五郎」が仕事の合間に立ち寄った店で食事をする様子を描いたドラマです。このドラマは料理のうんちくを述べるのではなく、ひたすらに主人公の食事シーンと心理描写を綴っているという点が特徴的であり、一見とてもシュールな内容ですが、気づくと見入ってしまいます。実際、深夜の番組ながら視聴率が良く、シーズン7まで制作されている人気番組です。マンガの購入者も4割が女性だそうで、男女関係なく人気のようです。シブい男性なのですが、「腹がペコちゃん」「昼なのにヨルダン」等といった親父ギャグをさらっと言うところもウケている理由なのかもしれません。
主人公は決して高級なものを食べるわけでなく、とにかく食事を楽しんでいます。その様子は達観の域に達しており、正に「いただきます」「ごちそうさま」の意味を体現しているようにも見えます。少し大げさかもしれませんが、与えられたる天地の恵に感謝している姿勢が、そこに感じられました。
6月の徳目は「生命尊重(せいめいそんちょう)」です。「命を大切にしよう」ということですが、「命を大切に」という言葉は子ども達にとっては分かりづらく、どうしても「食べ物を粗末にしてはいけない」「生き物にいたずらしてはいけない」など「~してはいけない」という禁止行為のような、命の保護を目的とした、どちらかというと消極的で悲観的な思考を思い浮かべがちです。しかし、生命尊重とはもっと前向きであるべきだと思います。そして本園の保育目標「明るく」「正しく」「仲よく」が生命尊重につながる行為であると考えます。「明るく」生活することは、自分の命を輝かせることに、「正しく」生活することは、周りの命に気を配ることに、そして「仲よく」生活することは、互いの命を大事にすることに繋がり、命をイキイキと輝かせる、楽観的な思考へと導いてくれます。命をより活かす視点で物事を考えていきたいものです。
文章を考えていたら、「腹がペコちゃん」になってきたので今日はこのくらいにしておきます…(2015.6)
主人公は決して高級なものを食べるわけでなく、とにかく食事を楽しんでいます。その様子は達観の域に達しており、正に「いただきます」「ごちそうさま」の意味を体現しているようにも見えます。少し大げさかもしれませんが、与えられたる天地の恵に感謝している姿勢が、そこに感じられました。
6月の徳目は「生命尊重(せいめいそんちょう)」です。「命を大切にしよう」ということですが、「命を大切に」という言葉は子ども達にとっては分かりづらく、どうしても「食べ物を粗末にしてはいけない」「生き物にいたずらしてはいけない」など「~してはいけない」という禁止行為のような、命の保護を目的とした、どちらかというと消極的で悲観的な思考を思い浮かべがちです。しかし、生命尊重とはもっと前向きであるべきだと思います。そして本園の保育目標「明るく」「正しく」「仲よく」が生命尊重につながる行為であると考えます。「明るく」生活することは、自分の命を輝かせることに、「正しく」生活することは、周りの命に気を配ることに、そして「仲よく」生活することは、互いの命を大事にすることに繋がり、命をイキイキと輝かせる、楽観的な思考へと導いてくれます。命をより活かす視点で物事を考えていきたいものです。
文章を考えていたら、「腹がペコちゃん」になってきたので今日はこのくらいにしておきます…(2015.6)
「配慮」
2018/06/12
最近、洗剤や歯磨き粉などの口腔ケア商品などが、汚れをきれいにする様子をイメージ映像で流すコマーシャルを見ると、実は少し汚れが残っているように表現されています。また、敢えてオーバーに表現することで面白さを追求したコマーシャルには、画面の隅に「CM上の演出です」というテロップが出てくることが多くなりました。これらは、「こんなことはありえない。誇大表広告だ」という苦情対策のために行われているものなのだそうです。しかしながら、考えればわかることであり、せっかくのコマーシャルも面白味が半減してしまいます。一方で、本当に悪意があって嘘や誤魔化しの広告を流し、相手をだまそうとしている場合もあります。そういったものを増やさないために、事実かどうかを厳密に線引きする風潮やきまりがでてきたのもまた事実です。自分たちを守るためである半面、自分たちの生活を味気ないものにもしているように感じます。あら探しをしたり、だまそうとしたりするのではなく、他人への配慮を意識することで、物の見方が変わってくるのではないでしょうか。
今月の徳目は「持戒和合(じかいわごう)」です。「きまりを守り、集団生活を楽しもう」ということですが、このきまりというのは「決められたルール」という意味でありません。そもそも「戒」とは「よくない事態に備えて気を引き締める」ことであり、「良い方向へ進むようまわりに気を配る」こととも言えます。みんなが気持ちよく生活するためにどんな気配りが必要かを考え、行動することが「戒を持つ」ことに他なりません。互いが相手を思いやるからこそ、大きく逸れることなく互いに譲り合いができ、豊かな人間関係が育まれていくのではないでしょうか。
子育てにおいては、子どもの成長に伴い自己主張も増えてきます。その主張が和を乱すものになりそうなとき、単に制限を加えるのではなく、思いやりを持つことの大切さを伝えていけるよう心がけていきたいものです。
家では2014年の流行語並に「ダメ」を連呼してしまう私は、まだまだ「ダメダメ」ですね…(2015.5)
今月の徳目は「持戒和合(じかいわごう)」です。「きまりを守り、集団生活を楽しもう」ということですが、このきまりというのは「決められたルール」という意味でありません。そもそも「戒」とは「よくない事態に備えて気を引き締める」ことであり、「良い方向へ進むようまわりに気を配る」こととも言えます。みんなが気持ちよく生活するためにどんな気配りが必要かを考え、行動することが「戒を持つ」ことに他なりません。互いが相手を思いやるからこそ、大きく逸れることなく互いに譲り合いができ、豊かな人間関係が育まれていくのではないでしょうか。
子育てにおいては、子どもの成長に伴い自己主張も増えてきます。その主張が和を乱すものになりそうなとき、単に制限を加えるのではなく、思いやりを持つことの大切さを伝えていけるよう心がけていきたいものです。
家では2014年の流行語並に「ダメ」を連呼してしまう私は、まだまだ「ダメダメ」ですね…(2015.5)
「継続」
2018/06/04
園で発行している園だより「明照だより」が平成27年4月で500号を迎えました。基本的に月1回発行しているお便りですので、単純計算で41年8ヶ月間発行していることになります。明照保育園は、前身の明照学園時代も含めると90年近く経つのですが、その半分近くの期間、園の様子を保護者の皆様に伝え続けています。時代に合わせ、変わらなくてはならないこともありますが、このように継続することもまた大切であると思います。
4月の徳目(より良く生きるための基本となるもの)は「合掌(がつしよう)聞法(もんぽう)」「敬う心を持って人の話を聞こう」という意味です。1世紀近く続いてきた明照が培ってきた伝統を敬い、その内容を良く吟味し、今の世の中と照らし合わせながら、そしてなにより子どもたちのことを考えながら「明照らしさ」を続けていければと考えています。
1000号を迎える41年8ヶ月後、私は75歳となり、とっくに園長を引退しているとは思いますが、いつまでも敬う心をもって人の話を聞けるような人間になりたいものです。
酔うと、同じ話をし続けてしまいますが…(2015.4)
4月の徳目(より良く生きるための基本となるもの)は「合掌(がつしよう)聞法(もんぽう)」「敬う心を持って人の話を聞こう」という意味です。1世紀近く続いてきた明照が培ってきた伝統を敬い、その内容を良く吟味し、今の世の中と照らし合わせながら、そしてなにより子どもたちのことを考えながら「明照らしさ」を続けていければと考えています。
1000号を迎える41年8ヶ月後、私は75歳となり、とっくに園長を引退しているとは思いますが、いつまでも敬う心をもって人の話を聞けるような人間になりたいものです。
酔うと、同じ話をし続けてしまいますが…(2015.4)
「A君」と「B君」
2018/05/31
こんなお話があります。「2千円を持っているA君と,1万円を持っているB君がいました。2人で向かったお店には2千円と5千円と1万円の三つの商品があります。A君は2千円の商品しか買えませんでしたが,B君は色々悩んだ末,A君と同じ2千円の商品を買いました。」選べるものが1つしかないため,決めざるを得なかったA君と,3つの中から自分に合ったものを吟味したB君…同じ品物ではありますが,みなさんならA君B君どちらが自分にとって価値のある買い物をしたと考えますか?答えはB君であるとご理解頂けると思います。吟味できる選択肢が多いと,金額的価値が低くても,自分にとって大切なものになるという例え話です。
選択肢を広げるためには、知識や経験という名の人生の貯金をしていかなくてはなりません。そして、その貯金を上手に使うためには正しいものの見方、考え方、行い方が身についている必要があると考えます。プレイルームに掲示してある保育目標にはこの「正しく」が掲げられており、その基礎を芽生えさせることが本園の保育方針に書かれてあります。
さて、3月の徳目は「智慧希望(ちえきぼう)」「希望をもち、楽しく暮らそう」という意味です。「智慧」とは仏教用語ですが、どんな環境にあっても全てのものに光を見い出す力のことを言い、全ての人間に宿っているとされています。智慧があるから、どんなときでも周りに惑わされることなく、自分にとって大切なものを正しく見つけだし、何事にも希望をもって取り組めるのだと思います。
人生において,たくさん貯金をしたいと考えられるようになるために、この「智慧」を早く自覚し、育てていくことが肝要です。本園の仏教保育の理念に基づいた情操教育を通して、子どもたちがこれから自らの意思でたくさん人生の貯金をし,自分の納得する人生を選び,歩んで行けること切に願います。(2015.3)
選択肢を広げるためには、知識や経験という名の人生の貯金をしていかなくてはなりません。そして、その貯金を上手に使うためには正しいものの見方、考え方、行い方が身についている必要があると考えます。プレイルームに掲示してある保育目標にはこの「正しく」が掲げられており、その基礎を芽生えさせることが本園の保育方針に書かれてあります。
さて、3月の徳目は「智慧希望(ちえきぼう)」「希望をもち、楽しく暮らそう」という意味です。「智慧」とは仏教用語ですが、どんな環境にあっても全てのものに光を見い出す力のことを言い、全ての人間に宿っているとされています。智慧があるから、どんなときでも周りに惑わされることなく、自分にとって大切なものを正しく見つけだし、何事にも希望をもって取り組めるのだと思います。
人生において,たくさん貯金をしたいと考えられるようになるために、この「智慧」を早く自覚し、育てていくことが肝要です。本園の仏教保育の理念に基づいた情操教育を通して、子どもたちがこれから自らの意思でたくさん人生の貯金をし,自分の納得する人生を選び,歩んで行けること切に願います。(2015.3)
「静」と「動」
2018/05/30
当園では、月に一度本堂でおつとめをしております。本堂の大きな鐘を3回叩く間、園児達は目を瞑り、手を合わせています。時間にすると90秒ほどではありますが、子どもにとっては長い時間に感じられるかもしれません。それでも、回数を重ねていくうちに、じっとしている時間が長くなっており、子どもたちの成長を感じることができます。
一方、最近の世の中は、「インターネットをはじめ、今の多くのコミュニケーションツールは、情報を『好きなときに発信して、好きなときに受けとる』ことができる。これはこれで大変に便利な機能だが、一方で、実際の会話のようにリアルタイムで話をし、自分の伝えたいことを伝え、相手の伝えたいことを受け止める、そして誤解があったらそれをキチンと正す、というトレーニングをする機会が減っている。相手との誤解が生じたり、感情的になったりした場合、ネットのときと同じように、コミュニケーションを絶ってしまう。【ダイヤモンド・オンライン 2015年1月21日(水)配信】」と、目まぐるしく変化し、立ち止まって考える機会があまりないように感じます。
さて、2月の徳目は「禅定静寂(ぜんじょうせいじゃく)」、「よく考え、落ち着いた暮らしをしよう」です。近年上記のように、正確、不正確に関わらず情報が何でも簡単に手に入る世の中になりました。そして、すぐに結果を求めたがる風潮も感じられます。私自身、すぐにネットに頼ったり、自分の子育てにおいても、じっくり向かい合わなくてはならないことであるのに、息子達にすぐ結果を求めている時がある気がします。そんな世の中だからこそ、本堂でのおつとめのような、心静かに過ごす機会を設ける必要があると感じます。年度末に向け、一度じっくり今年1年を振り返ってみたいものです。
その際は、できるだけアルコールを控えて取り組めるように頑張ることを、前向きに善処したい気もしないでもないです…(2015.2)
一方、最近の世の中は、「インターネットをはじめ、今の多くのコミュニケーションツールは、情報を『好きなときに発信して、好きなときに受けとる』ことができる。これはこれで大変に便利な機能だが、一方で、実際の会話のようにリアルタイムで話をし、自分の伝えたいことを伝え、相手の伝えたいことを受け止める、そして誤解があったらそれをキチンと正す、というトレーニングをする機会が減っている。相手との誤解が生じたり、感情的になったりした場合、ネットのときと同じように、コミュニケーションを絶ってしまう。【ダイヤモンド・オンライン 2015年1月21日(水)配信】」と、目まぐるしく変化し、立ち止まって考える機会があまりないように感じます。
さて、2月の徳目は「禅定静寂(ぜんじょうせいじゃく)」、「よく考え、落ち着いた暮らしをしよう」です。近年上記のように、正確、不正確に関わらず情報が何でも簡単に手に入る世の中になりました。そして、すぐに結果を求めたがる風潮も感じられます。私自身、すぐにネットに頼ったり、自分の子育てにおいても、じっくり向かい合わなくてはならないことであるのに、息子達にすぐ結果を求めている時がある気がします。そんな世の中だからこそ、本堂でのおつとめのような、心静かに過ごす機会を設ける必要があると感じます。年度末に向け、一度じっくり今年1年を振り返ってみたいものです。
その際は、できるだけアルコールを控えて取り組めるように頑張ることを、前向きに善処したい気もしないでもないです…(2015.2)
「アルバイト」と「運転手」
2018/05/28
「『しあわせ八変化』 自分が変われば相手が変わる 相手が変われば心が変わる 心が変われば言葉が変わる 言葉が変われば態度が変わる 態度が変われば習慣が変わる 習慣が変われば運が変わる 運が変われば人生が変わる 今幸せな人はそのままでいいんです」
居酒屋のトイレなどにこの言葉が掲げてあることがあります。
大学生の頃、日雇いで駐車場整理のアルバイトをしました。車が効率よく駐車できるよう一台一台に声を掛け、誘導する仕事です。当日、大まかな仕事内容を確認し、現場へ向かう前に、現場監督からこんなことを言われました。
「声を掛けるとき、表情を柔らかくするのはもちろんだけれども、始めに挨拶をするだけで、なぜか運転手の態度が良くなるぞ。」
挨拶ぐらいで何が変わるのかと思った私は、最初の頃は挨拶をせずに、声を掛けていました。すると、ほとんどの運転手は、面倒くさそうな顔やこちらを睨むような顔をしていました。私もどんどん腹立たしくなり、無意識のうちに顔も引きつっていきました。仕事も中盤に差し掛かり、イライラしながらも仕事にも慣れ、心に余裕ができた頃、仕事前に言われた現場監督の言葉を思い出し、それならばと挨拶も取り入れてみました。すると驚くことに、今までの運転手の態度とは打って変わって、にこやかな表情の運転手が多くなりました。中には「ありがとう」と返してくれる人まで。…そんな思い出を、居酒屋のトイレで「しあわせ八変化」を見つけると思い出します。
さて、1月の徳目は「和顔愛語(わげんあいご)」、「柔らかい顔で、優しい言葉を」です。忙しいと、どうしても心にゆとりをなくし、態度や言葉が粗くなりがちです。イライラしたときに「自分が変われば相手が変わる」と心で唱えていきたいものです。
言うは易し行うは難し。感情が出てしまったときは、「あいだみつを」が頭の中に浮かびます。「人間だもの」…まだまだ精進が足りませんね。(2015.1)
居酒屋のトイレなどにこの言葉が掲げてあることがあります。
大学生の頃、日雇いで駐車場整理のアルバイトをしました。車が効率よく駐車できるよう一台一台に声を掛け、誘導する仕事です。当日、大まかな仕事内容を確認し、現場へ向かう前に、現場監督からこんなことを言われました。
「声を掛けるとき、表情を柔らかくするのはもちろんだけれども、始めに挨拶をするだけで、なぜか運転手の態度が良くなるぞ。」
挨拶ぐらいで何が変わるのかと思った私は、最初の頃は挨拶をせずに、声を掛けていました。すると、ほとんどの運転手は、面倒くさそうな顔やこちらを睨むような顔をしていました。私もどんどん腹立たしくなり、無意識のうちに顔も引きつっていきました。仕事も中盤に差し掛かり、イライラしながらも仕事にも慣れ、心に余裕ができた頃、仕事前に言われた現場監督の言葉を思い出し、それならばと挨拶も取り入れてみました。すると驚くことに、今までの運転手の態度とは打って変わって、にこやかな表情の運転手が多くなりました。中には「ありがとう」と返してくれる人まで。…そんな思い出を、居酒屋のトイレで「しあわせ八変化」を見つけると思い出します。
さて、1月の徳目は「和顔愛語(わげんあいご)」、「柔らかい顔で、優しい言葉を」です。忙しいと、どうしても心にゆとりをなくし、態度や言葉が粗くなりがちです。イライラしたときに「自分が変われば相手が変わる」と心で唱えていきたいものです。
言うは易し行うは難し。感情が出てしまったときは、「あいだみつを」が頭の中に浮かびます。「人間だもの」…まだまだ精進が足りませんね。(2015.1)